事業に必要な3つのこと

 

 事業を行うとき、何かしらビジネスを行うとき、いろいろやることはありますが、ここでは3つに分けてみました。

 

・アイデアを考える

 

 これは、事業アイデアを考えたり、ニーズや実現性の初期検証をすることです。

 




 たとえば何か新規事業をする場合、まずは何をやろうかというアイデアを考える必要があります。思いついたことを軽く検証して、ほんとうにニーズがあるのか、事業アイデアとしてスジがいいのか確認してみる段階です。

 

・運営する

 

 運営は、いざ事業を動かし始めたあとの一連の活動全般です。実際にモノをつくる、サービスを提供する、営業してお客さんを獲得するなどが該当します。人のマネージメントや評価も運営の一部です。

 

・計画を立てる

 

 アイデアを考えてから事業を運営するまでの間にあるのが、計画を立てるということ。本書のテーマである事業計画です。これをどうつくるのかが、思いつきやアイデアをほんとうにビジネスとして実現させるポイントであり、事業を運営していく中でうまく軌道修正するためのポイントです。

 

 この事業計画をどうやってつくるかというところは、インターネットで検索してもあまりぴったりしたものが出てきません。まとめてきっちり説明した本も読んだことがありません。ですから今回、本書でうまくまとまった形で提示したいと思います。

 

「事業のアイデアを考える」と「事業を運営する」については、それらを扱ったビジネス書がたくさん出ていますので、今回は割愛します。

 

 余談ですが、事業計画をつくるには、コンサルタントのような論理的に考えるスキルと、事業の現場のリアリティを分かっていることの両方が必要です。世の中にコンサル本がたくさん出ている中、これまで事業計画についてまとまった本がなかったのは、こういう理由なのかなと思います。

 

 私たちフィールドマネージメントは、コンサルティングだけでなく実際の経営の経験があるメンバーを中心として活動しているのですが、この本ではその両方の経験を踏まえ、実践的な手法をご紹介できればと思っています。

 

事業計画の例

 

 事業計画って具体的に言うと何でしょう? 3つ例を挙げてみます。

 

・部署の予算・年度計画

 

 ひとつは、部署の予算や年度計画などです。たとえば、「A地域の来年の予算を考える」や、「昨年新製品を発売した部門Bの今年の成長プランを考える」などです。

 

・新規事業の立ち上げ計画

 

 新規事業を立ち上げる計画も事業計画です。たとえば、社長から「1億円の売上が立つアイデアを考えてこい」って言われたら、アイデアを考えるだけではダメで、そのアイデアをどう実現するのか、計画を立てて社長にプレゼンしないといけません。

 

 また、ベンチャー企業を立ち上げるときは、必要な資金を投資してもらうために、投資家に自分の考えた事業の素晴らしさを説明して、お金を取ってこなくちゃいけない。そういうときも計画を立てて、こういう理由でこの事業が魅力的で、こういうふうに立ち上げていくのでお金を投資してくださいというプレゼンをすることになります。

 

・中長期経営計画

 

 企業単位での中期経営計画も事業計画の一種です。今後、3年、5年後を見据え、企業全体として、どういう戦略で、どのような事業をどうやって伸ばしていこうかを考えます。

 

 ほかにも、もっと軽いものだと社内プロジェクトなどで、たとえば夏休みの社員参加企画を何か考えろ、みたいなものも、概念としては事業計画の一種と言えなくもないです。

 

 でも、今回は何かしら経済的な活動が入ってくるもの、売上が立って利益になっていくものを対象にしますので、事例としては先ほど挙げた3つくらいをイメージしてください。

 

 本書はこれらの事業計画をつくるために必要な要素や、つくるコツを網羅していますので、この1冊さえ読めば誰でも事業計画が(年度計画も、新規事業の立ち上げ計画も、中長期計画も)つくれるようになることを目指しています。

 

事業計画は何のためにつくるのか? 3つの目的

 

 ところで、事業計画をつくる目的って何でしょう?

 

 先ほどの「事業を行うために必要なこと」では、「アイデアを考える→計画を立てる→運営する」というステップがありました。この真ん中にある「計画を立てる」をどうしてやらなきゃいけないのか。計画なんか立てないで、アイデアをとにかくトライ&エラーで実行してみればいいじゃないかという意見もあるかもしれない。それでうまくいけばよいのですが、事業計画をつくるにはそれなりの理由があります。その3つの理由を見ていきましょう。

 

1 事業を運営するために必要なアクションを明確にする

 

 新しい事業のアイデアを考えて、社内で企画が通った。とはいえ、明日から何をやればいいのでしょう? いきなり営業すればいいのか? 商品開発から始めればいいのか?

 

 事業にはやることがほんとうにたくさんあるので、それらを、どの順番で、どういうふうにやっていけばいいのかという、アクションを明確にするのが、ひとつめの目的。事業計画をつくると、いつ何をやればいいのかが明確になってきます。

 

2 関係者に計画を伝え、納得してもらい、必要なサポートを得る

 

 事業をやろうと思うと、ひとりでできることは少なくて、多くの人のサポートが必要です。上司かもしれませんし、チームメンバーかもしれませんし、社外の人かもしれません。投資してもらう銀行とか投資家かもしれません。取引先、納入先、発注先かもしれません。とにかくいろいろな関係者のサポートが必要になってきます。

 

 その人たちに、「今度こういう事業をやろうと思ってるんです」「今後3年間、こういうふうに成長させようと思ってるんです」と説明して、「たしかにそれは魅力的だからサポートしよう」と思ってもらわなければなりません。まわりの共感とサポートを得るために事業計画が必要になってくるというのが、ふたつめの目的ですね。